今年はゴールデンウィークではなく、コロナによるステイホームウィークとなった。GW後半の5月3日は憲法記念日。休校の続く中学生自宅課題用に、英語と“社会”の練習問題を提供しよう。
 
小池百合子都知事が連呼したので、Stay home.(①)は皆の知るところとなった。「おうちにいなさい」と訳せば満点だが、同じ意味を別の表現で書けといわれたら、できますか?
――答えはStay at home.(②)「あっと」驚くタメゴロー君のために解説。①に前置詞のat がついた②のhomeは「家」という名詞なのに対し、①のhomeは「家に」という副詞。①はアメリカほか多くの国で使われるが、②は英国が中心だ。いわゆるクイーンズイングリッシュという奴で、かつてイギリスの植民地だった国では②が頻用される。
 
やっと、ここから本題の“社会”。安倍首相は、先ほど緊急事態宣言を5月末まで延長すると決定した。それって何?
――新型インフルエンザ対策特別措置法(2012年制定)に基づき、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態が発生したとして国が宣言したもの。最初は東京都など7都府県、いまは全国に及んだが、今回の延長で一部の県は特定警戒都道府県を外れ、緩和された。
 では緊急事態とは?――肺炎の発生頻度が季節性インフルエンザに比べて相当高く、感染経路が特定できない症例が急速に多数に上り、医療提供体制も逼迫(ひっぱく)してきた状態。つまり、あくまでも感染症のレベルで語られていることに注意しよう。

かしこい中学生なら、ここまで来て次の質問が予想できるだろう。
 緊急事態条項って何?なんで今、憲法改正してまでする必要あるの?
――2011年の東日本大震災を踏まえ、大災害や武力攻撃などで国家秩序が脅かされる時、政府など一部機関に人権制限など大幅な権力を与える非常措置をとること。2012年、「自主憲法制定」を党是とする自民党が打ち出した。というより、安倍首相の“熱意”で出番を待っているが、コロナ禍が格好の提供機会となった格好。
 緊急事態「宣言」延長した日に緊急事態「条項」のビデオメッセージ出すって、と訝(いぶか)る出木杉君にこう言いたい。
――atがあったりなかったり、英語もややこしいけど、いまの日本の政治状況はもっとややこしいね。友だちの矢々越君に伝えてくれたまえ。「日本語の分かる人が国のかじ取りをするべきだね」