梅雨の中休みの日曜、名古屋で勉強会に参加した。講師は九州・大分で有機野菜を販売しながら、全国で栄養学レクチャーを展開する吉冨信長氏。SNSで知遇を得たのだが、その内容の濃さは半端ない。生化学の専門家並みの博識を駆使しての語り口に、フォロワーは2万人ちかくにのぼっている。

本日のテーマは「不飽和脂肪酸」。三大栄養素の一つ、脂質を構成する脂肪酸のうち、世間で(もちろん専門家にも)注目を集めている種類について、様々なデータやエビデンスを論拠に、手作りテキストを使っての熱弁が繰り広げられた。

ω(オメガ)-3脂肪酸。食の安全や健康に気を遣う人なら周知の多価不飽和脂肪酸(PUFA)。ピンとこない人でも、EPA・DHAなら聞き覚えがあるだろう。メタボが気になる中年なら特に「あっ、血液サラサラのアレね。青魚に含まれているやつ」。

吉冨さんの講義の特徴は、単なる栄養学の知識を伝えるレベルとは完全にかけ離れていることだ。自身の体験をもとに、本当に体に良い食とは何かを追究しているように見受ける。実際、発展途上国に出かけ、8つの民族と寝食を共にした経験と専門研究知識をベースとした語りは、聴く側を虜にする力を持っている。

こうした講義内容に関心を持たれた方は個別に問い合わせ願えればと思うが、少しだけ記しておこう。
最近、健康のためにと、シソやえごま、亜麻仁(アマニ)油を使う消費者が増えつつある。これらは抗炎症作用のあるオメガ‐3系のα(アルファ)‐リノレン酸を含むが、それ単独で健康になるほど、ひとの体は単純ではない。
魚油称賛の反動で悪者扱いされがちなオメガ6系のアラキドン酸(動物性脂肪に多く含まれる)にしても、本来は子供の成長期に欠かせない脂質なのだという。ただ、狩猟採集時代と違って、敵の動物におそわれ、出血、感染するリスクも減った現代に、カウチポテトで過ごすわれらにとっては過剰摂取のリスクがつきまとうというだけだ。動物性脂肪それ自体に罪はない。

最後に。精神科専門医の僕がなぜ、栄養学に関心があるの?と疑問に思われた方に。
「身土不二」。食べ物とからだはひとつ(不二)という考えがある。これは心身医学、東洋医学の基本的考えでもある。しかも、最近、オメガ3脂肪酸の摂取が、うつ病の軽快につながるという大規模研究が出た。(国立がん研究センター2017)。

脂ぎっているアナタ、へのメッセージとして、本日のブログを送ります。