本日、一宮むすび心療内科は開業3周年を迎えました。これもひとえに当クリニックを支えてくれた方々のお陰です。ブログ紙面を借りて御礼申し上げます。

思えば、お釈迦様の誕生日に開業しようと思ったのもご縁と言うべきなのでしょう。四苦八苦しながら準備をし、いつもの癖であわただしく始めた初日を思い出します。
3年前の当欄でお示ししたのが「五蘊盛苦」(ごうんじょうく)。意味は、人の肉体と精神(=五蘊)は常に自分のおもいのままにならないという苦しみをさした言葉。とりわけ心療内科の現場では、核心をついた言葉だと感じます。

シャカ族の王子、シッダールダが悟りを得て仏陀となるまでには6年を要しました。ひるがえって、わが身。心身医学の神髄にどれだけ近づいたのかと問われると、はなはだ心もとない境地です。
とはいえ、「石の上にも三年」。少しは、お尻の下に広がる心身医学領域の一部を温めることができたのかなあとも思います。

「三」という数字には、古今東西、人を引き寄せる力が備わっているように見えます。△△三大〇〇などという言い方も、いろんな分野でみかけます。〔僕の好きな野球なら、ドラゴンズファンだって、背番号3とくれば、ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄さん〕。
理屈をこねてみれば、私たちの生きる三次元世界をただ一つの面で切り取るには、少なくとも三つの点が必要です。〔1,2点では無数の線や面が存在しうることになる〕。独楽(こま)や自転車は常にまわり続け、こぎ続けなければなりませんが、三輪車なら、幼なごも安心して乗ることができます。
「三」の不思議―――

当院のモットーを最後に掲げておきます。
『心と体をむすび、人と人をむすび、まちとひとをむすぶ』
この三つのうち、ひとつでもむすべないと、わたしたちの想い描く心身医療はできません。
次の三年も、この理想に向けてさらなる精進を続けていきたいと思います。