講演準備などでバタバタと過ごすうちに年度が替わった。満開の桜が春雨に散る日曜、これまでの院長ブログを数えると75本あった。2週間で3本のペースだ。外来診療の合い間にしたためた割りには、書けたほうと思う。開業一周年を前に振り返る。

ブログを始めた時、崇高な目的があったわけではない。ホームページ(HP)ご覧の方々に役立つ情報をと考えたのと、自分の”書きたい欲”を満たしたかったのが正直なところだ。新聞記者時代のコラム執筆要領を思い出しながらまとめたが、心療内科医らしくなるよう苦心した。内容を大別すると三つに分けられる。

①心と体の病気を説明したもの②記念日などの時事ネタもの③院長私事周辺の披露もの――
それらを各時季のニュースや話題に絡めてコラムに仕立てた。その中から僕自身にとって印象深い回を再度紹介したい。[以下アーカイブで日付をクリックすると読めます]

当院受診理由の圧倒的多数を占めるのがHP。患者さんに病気のことを知ってもらうきっかけにと、①ではさまざまな病気を取り上げてきた。うつ病には産後うつもあれば、”新型うつ”もあることを講演のダイジェストを載せて伝えた(8・23『うつ病教室』、10・5『縁結びの神様に誓う』、11・20『「こどもの日」に産後うつを語った。』)。
病気からの快復には「寝て食べる」のが基本だが、心療内科ではそこをやられる患者さんが多い。不眠症について語った3・18『良き眠りのために』はよく読まれたし、5・18『10年河清を待つ』では文字通り治癒まで10年かかった摂食障害の患者さんを取り上げた。

心療内科治療の柱のひとつが薬物療法。特に僕は漢方を重用するが、更年期障害や月経前症候群などに有効なことが多い。6・22『こころを温め、清くする飲み物』では基本の考え方を披露し、8・10『風雲灸を据える』では鍼(はり)について解説をした。心身医療の治療法として有力な技法だ。
外来休診日(木曜)に産業医活動をしており、馴染みの少ない産業医について7・20『会社のお医者さん』で取り上げた。

②の記念日物はiPadを活用した。「今日は何の日?」で検索すると出てくる項目を参照。7・28『Re:Bornのために』はそれで知った親子の日(7月第4日曜)がテーマ。
敬愛する文士の命日も取り上げた。6・19『杏と桜桃』は太宰治、7・24『河童の不安を流すには』は芥川龍之介にちなんだ話。特に前者は森鴎外の次女小堀杏奴さんとの交流を回顧した愛着の深いコラム。

③の私事物では野球と音楽をよく扱った。7・3『3時のおやつ』では梶原一騎原作「巨人の星」を紹介し、8・31『雨の8月・甲子園の詩』では両方にかかわる作詞家阿久悠の作品を題材とした。お気に入りの作家向田邦子もネタにした。8・22『昭和の人・向田邦子』を読んでいただけると嬉しい。院名の由来がわかる仕掛けだ。
一連のコラムで特に力を入れたのが8・12『御巣鷹のPTSD』と10・10『10月10日は体育の日』。前者は記者時代に関わった日航ジャンボ機墜落事故とトラウマの関連を書いたもので、後者は中学時代の恩師のエピソードを綴った回想文。つボイノリオさんも登場する。ぜひ読んでほしい。

3月28日には「成人ADHDの臨床」について、専門家講演の前座で医師向けに話をしたが、そこでもブログを引き合いに出した。10・23『エジソンの末裔』。ご存知発明家トーマス・エジソンはADHD(注意欠如症)でもあった。当院でも多くの患者さんが来院される。治療の参考になると信じている。

以上、つらつら書き並べて改めて想うのは、心身医療の道はまだまだ遠いということ。コラムを読んでいただき、忌憚なきご意見をコメント頂けると励みになります。次の1年を目指し続ける覚悟なので応援よろしくお願いいたします。                                           
                                                   院長敬白